「タテ読みマンガアワード 2025」授賞式をレポート INI・佐野雄大とぱーてぃーちゃんも推す今読むべき作品は?
マンガ・アニメ専門ニュースサイト「コミックナタリー」が主催する「タテ読みマンガアワード 2025」の授賞式が2月19日に行われた。本アワードは今読んでおきたい縦スクロール形式のマンガをユーザー投票によって決定する企画。2025年は計80作品がノミネートされ、約12万票の投票があった末、国内作品部門の1位には『お求めいただいた暴君陛下の悪女です』が、海外作品部門の1位には『今世は当主になります』が選ばれた。また、この日はゲスト審査員を務めたボーイズグループ・INIの佐野雄大とお笑いトリオのぱーてぃーちゃんが登場し、それぞれが選んだ特別賞も発表された。
約80作品のノミネートの中から今読んでおきたい作品を決定
「メディアがこのようなマンガ賞を主催することは少し珍しいと思うのですが、日々多くのマンガを紹介する中で、各サービスの垣根を超えて新たな作品と出逢う場を作れたら素敵だなという思いからこのアワードを創設しました。普段からタテ読みマンガに親しんでいる方はもちろん、タテ読みマンガにそこまで詳しくないという方も、まずはここにランクインしている作品から読んでいただき、本アワードがガイド的な役割を果たせたら幸いです」
授賞式冒頭の挨拶で主催者代表としてそう述べたコミックナタリーの坂本恵編集長。

無類のマンガ好きとして知られるニッポン放送・吉田尚紀アナウンサーの司会で行われた授賞式では、続いてゲスト審査員のINI・佐野雄大とぱーてぃーちゃんのすがちゃん最高No.1、信子、金子きょんちぃが登場。オーディション番組出身で厳しい審査をくぐり抜けてきた経験がある佐野は、今回は審査員の側として壇上に立つことに「今までいろんな場所で数々のパフォーマンスをしてきましたが、今日は過去イチといっても過言ではないくらい緊張しています」と率直な思いを述べた。


今回のアワードでは、国内作品部門、海外作品部門合わせて計80作品がノミネート。会場では、各部門の20位から2位までがカウントダウン形式で紹介された後、第1位の表彰が行われた。
国内作品部門は『お求めいただいた暴君陛下の悪女です』が頂点に立つ!
国内作品部門では『お求めいただいた暴君陛下の悪女です』(天壱/STRAIGHT EDGE /SORAJIMA)が第1位に選ばれた。

本作は、敵国との戦いで敵に捕らえられ、家族にも裏切られ祖国から“悪女”とされ悲劇の死を遂げたベリエ王国第一王女のラースが、奇しくも過去に戻って二回目の人生を生きるチャンスを得て、かつての敵国・シャリオルト帝国の“暴君”ゼフォンのもとへ嫁ぐというロマンスと復讐の物語だ。

会場では、連載中の多忙につき欠席となった作者を代理して株式会社ソラジマ IPプロデュース部の宮村南氏が登壇。坂本編集長からトロフィーを受け取ると、作者のメッセージを代読し、「この度は身に余る賞をいただき、光栄でなりません。本作が大勢の方々に応援していただけるほど読者様に楽しんでいただけていたのだと実感できたことが何よりもうれしく思います。“お求め悪女”は今まさに物語の佳境を迎えておりますが、今後とも引き続き読者様に一話一話楽しんでいただけるように努力させていただきます」と述べた。

一方で、読者の一人として感想を求められた佐野は「復讐系だとちょっと我慢しないといけないシーンがあったりしますけど、この作品は復讐がある度、すぐにまた復讐が起こるという爽快感が凄くて本当に面白いですね。あと、表紙に負けないくらい中身の絵のタッチも美しくて素晴らしい作品だと思います」とマンガ好きらしい解像度の高いコメント。さらに作者描き下ろしの受賞記念イラストが披露されると「えー、すごい!」と笑顔を浮かべた。
海外作品部門は『今世は当主になります』がトップに!
海外作品部門では『今世は当主になります』(作者:Mon/Antstudio/Kim Roah)が1位に。

本作は、交通事故で命を落とし、名門ロンバルディ家の婚外子として転生したフロレンティアが、父・ギャラハンの死と家門の滅亡という悲劇の後に7歳の自分に戻り、再び家門を守るため当主になる試練に挑むという物語だ。

海外在住の作者に代わり登壇した株式会社カカオピッコマ マーケティング室の寺前美鈴氏は、作画を担当しているMon氏のメッセージを「このような名誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。キャラクターの成長を一緒に見守り、変わらず愛情を注いでくださった読者の皆様のおかげでいつも大きな力をいただいております。本日の受賞も皆さまの温かい応援として心に刻み、残りの物語も楽しく書き続けてまいります」と代読。

一方で、本作の読者だというぱーてぃーちゃんのすがちゃんは「ただの復讐だけに留まらず、一族をより良い方向に導いていくという物語の角度が非常に素晴らしい」と絶賛のコメント。また、こちらも受賞記念の描き下ろしイラストが披露されると、「作品の中で特にほっこりするシーンといえる主人公親子の最高の笑顔を書いてくださったところに、Mon先生のキャラクターへの愛情を感じます」という寺前氏の言葉に「確かに」と同調した。
佐野雄大、ぱーてぃーちゃんイチオシのタテ読みマンガは?
次に事務局特別賞の三賞として、ストーリー賞に『コータロー君は嘘つき』(作者:緒之)、キャラクター賞に『ラスボス少女アカリ~ワタシより強いやつに会いに現代に行く』(作者:岸馬きらく/酒ヶ峰ある)、演出賞『四度目の夫』(作者:明生チナミ)が発表。続いて、ゲスト審査員の二組の名を冠した特別賞の受賞作が本人たちから発表された。
「INI・佐野雄大賞」に選ばれたのは、夫に不倫された樹里と謎めいた年下の美青年との関係を描くラブロマンス『枯れた花に涙を』(作者:Gae)。

本作について佐野は「苦悩のあるラブストーリーってリアルな心情に訴えかけられている感じがして、場面ごとの心情を考えるのがすごく好き」と言い、さらに「良い意味で飾り気のない言葉にも妙に引き込まれますし、絵のタッチもめちゃくちゃお気に入りなので選ばせていただきました」と、ガチヲタ的な熱量で推しポイントを力説。さらに司会の吉田アナから「謎の美青年みたいな役を演じてみたいか」を尋ねられると、「やってみたいですね!」と即答した。

一方で、「ぱーてぃーちゃん賞」に選ばれたのは、『俺だけ最強超越者~全世界のチート師匠に認められた~』(作者:江藤俊司/フウワイ/土田健太/3rd Ie/maruco/Studio No.9)。
こちらは、高い身体能力と特殊能力を併せ持つ“超越者”が存在する世界で、落ちこぼれた生活を送る主人公の神凪湊が死の淵で覚醒し、かつて世界滅亡の危機を退けた伝説の超越者“始祖”たちの力を得て大きく人生が変わり始めるという物語だ。

原作者の江藤俊司氏にトロフィーを手渡したぱーてぃーちゃんは、「普通こういう話って師匠が一人しかいないけど、この話は始祖が106人もいて、導入から心奪われちゃいました」(すがちゃん)、「序盤は落ちこぼれ、負けず嫌いというか。すごい弱いやつがチート級に強くなるけど、さらに高みを目指すマインドになれるのが素晴らしい」(信子)、「兄弟愛、師弟愛みたいな絆が私たち(ぱーてぃーちゃん)にも通じるところがある」(金子)とそれぞれコメント。せっかく原作者に会えたということで、三人前のめりで江藤氏に今後の展開などを質問攻めし、ガチファンであるがゆえの盛り上がりを見せていた。

その後、終盤にはゲストの二組による「みんなで描け! 縦割りドローイング」という企画も実施。4人で描くパーツを分担して一人のキャラクターを完成させるという企画で、くじ引きで決まった「天才の魔王」というテーマのキャラができあがると、ここまでも“ガチイケメン”の佐野にたびたび対抗心を燃やしていた“なんちゃってイケメン”のすがちゃんが、佐野が描いた目に「やってくれたな~」と難癖を付けるなど無駄な争いを見せて場の空気を沸かせた。
投票ランキングなど「タテ読みマンガアワード 2025」の結果は、同アワードの特設ホームページで確認可能となっているので、ぜひチェックしてみてほしい。