未来のサッカー日本代表を育てる“秘密兵器”登場!能力開発支援アプリ「iDEP」とは?

Jリーグのクラブチームなどが取り入れている育成メソッド「IDP」を活用した個人の能力開発支援システム「iDEP」を開発した株式会社ICが、6月25日~6月27日の3日間にわたって開催された「スポーツチーム・アスリート向け総合展2025 -Japan Sports Week-」に出展。イベントリポートを届けると共に、この取り組みに対するJFAユース育成ダイレクターの城和憲さんのコメントなどを紹介します。
日本サッカー界で長年の課題となっている「個」の力を伸ばすため、Jリーグの多くのクラブが育成で取り入れているのが「IDP(Individual Development Plan)=個人の能力開発計画」。IDPとは、個人の成長や能力開発のために、目標設定・アクションプラン・フィードバックを体系的に管理する教育メソッドで、欧米諸国では既に何年も前から広く浸透しています。
その育成メソッド「IDP」を、日本で唯一クラウド上でシステム管理できるようにした個人能力開発支援アプリが「iDEP」です。「iDEP」はスマートフォン、タブレットで選手一人ひとりの育成プランを作成できるほか、ゲームレポートやフィジカルテストのデータまで一元管理が可能。規模の大小にかかわらず導入を可能にしました。日本サッカー協会と「JFAソーシャルバリューパートナー」契約を締結したことで、サッカー界の未来を支援し、次世代アスリート育成に貢献する取り組みとして、スポーツ界から注目を集めています。
■来場者の関心の高さ浮き彫り…実際に触れられる場を提供
「スポーツチーム・アスリート向け総合展2025 -Japan Sports Week-」では、同社のブースに連日多くの来場者が訪問。「IDP」および「iDEP」への質問も多く寄せられ、個人の能力開発支援システムへの興味関心の高さをうかがわせました。
また「iDEP」について、実際の操作画面とともに様々な機能を紹介するプレゼンテーションを実施。プレゼンテーションでは、選手一人一人が目標や課題を入力することで、直感的な目標管理と進捗の“見える化”の実現や、選手が悩みや気づきをコーチと気軽に共有し、メンタルケアにつなげることもできるトーク機能、さらに、身長・体重などの基本データや、50m走タイムなどのフィジカルデータ、試合結果といった記録を一元管理し、蓄積された情報をクラブが分析に活用できる点などを紹介。ブース内では、実際にシステムに触れられる場を設け、「iDEP」のさまざまな機能・項目を多くの来場者が体験しました。
さらに、JFAユース育成ダイレクター・城和憲さんの動画メッセージも展開され、メッセージ内で城さんは以下のように語りました。
「iDEPのシステムの活用性は無限大だと感じており、これからもっともっと進化していくことを期待しています。我々の思いとしては、やはりサッカー日本代表で活躍する選手、そして本当に世界で活躍できる選手を育てていきたいという気持ちが常にあります。そういった選手を育てる上で、個人をどれだけ伸ばしていけるか、世界に出ていくために何が必要なのか、という点を突き詰める必要があります。全体で行う練習だけでは、個々のニーズに応えるのが難しい面もあります。そのような時に、iDEP を活用して個人の時間を作り、選手に成長のきっかけを与えたり、一緒に課題に向き合って共感してあげたりすることで、選手自身の成長をサポートしていきたいと考えています。iDEP のシステムを使いながらJFAが掲げる『サッカー日本代表が国際大会で優勝する』という目標に向けて、一緒に育成していければと思っています」
■未来の日本代表を育てるため…「iDEP」で記録の蓄積が財産に

6月27日の最終日には、実際に展示ブースに城さんが来場。「iDEP」を導入した感想について、城さんは「元々はサッカーノートのような形で指導者と選手のやりとりがあって、選手自身が課題を見つけ、“どこを伸ばして、どこを高められるか”というのを自分自身で自己分析をするというのが選手の頭の中でしかなかったもので、それが iDEP によって可視化できることによって、選手たちはより具体的に目標を定められるようになりました。指導者も選手にどうアプローチした方が良いかということがこのシステムの導入により明確化していったと感じます」と話しました。
「iDEP」を使用する前と後で具体的に変わったことについては、「選手も自分たちで目標を立てていく中で、出来ないところをいつまでにどのようにやっていくか等、そういったところを自分自身でフォーカスして行うので、意識や取り組みも大きく変わってきているかと思います。指導者も全体トレーニングをやる中で、彼らがどこに注目して、取り組もうとしているかを把握できるのでアプローチの仕方が変わるんです。今までは全体が良ければよいかと思っていたところが、個人個人にも目が行くようになったので、そういう意識が導入する前と後では相当大きく変わったと思います」と、この機能の良さを語りました。
最後に今後の日本サッカーの未来について「iDEP」に期待するところを聞くと、城さんは以下のようにコメントしました。
「これだけ日本サッカー界から海外で活躍する選手が出てきて凄く発展している中で、これから先、もっともっと個人を高めていかなければならないと思います。我々はJFAという立場なので、そこから日本代表で活躍するような選手が出てきて欲しいです。自分自身のIDPをどのように掲げていくか、これはサッカーをやっていく上でもずっと続けていくことだと思うので、この『iDEP』を最大限、有効活用しながら、選手として個人を最大化していき、そういった選手が世に出ていくことで、日本サッカーはもっともっと発展すると感じます。また日本代表になった選手たちが過去に、どういったことをやってきたのかというのが今全く残っていないと思うんです。これは財産を失っているようなものなので、未来の選手を育てるためにこの『iDEP』で、そういった記録を財産として残していかなければならないと感じました」