走る一歩ががん研究の未来へ、京都テリーフォックスラン2026で集まった約65万円の思い
がんと闘う人たちを応援したい。そんな思いを胸に、走ることや歩くことを通じて支援の輪を広げるチャリティーイベントが京都で開催されました。2026年9月27日、フォーシーズンズホテル京都が主催した「京都テリーフォックスラン2026」には、子どもから大人まで約140人が参加し、がん研究への支援につながる一歩を踏み出しました。
このイベントの原点にあるのは、がんによって片脚を失いながらも、研究資金を集めるために走り続けたカナダの青年、テリー・フォックス氏の挑戦です。その思いは時代や国境を越えて受け継がれ、今では世界30カ国以上に広がっています。
今回のイベントでは、参加者や協力企業などから総額656,457円の寄付金が集まり、京都大学がん免疫総合研究センターへ贈られました。一人の青年が抱いた願いは、どのようにして世界へ広がり、京都での取り組みへとつながったのでしょうか。イベントの様子とともに、その背景にある思いや、がん研究の未来を支える活動を紹介します。
約140人が参加、京都の公園で広がったチャリティーの輪

2026年9月27日、京都市の梅小路公園で開催された「京都テリーフォックスラン2026」。フォーシーズンズホテル京都が主催するこのチャリティーイベントは、同ホテルにとって3度目の開催となりました。
当日は、子どもから大人まで約140人が参加。梅小路公園内の芝生エリアに設けられた合計2.5kmのコースを、それぞれランニングやウォーキングで進みました。速さや順位を競うのではなく、がん研究を応援するという共通の目的のもと、幅広い世代が参加できることも、このイベントの特徴です。

走ることが得意な人も、ゆっくり歩く人も、自分に合った形で支援に参加できる「テリーフォックスラン」。一人ひとりの小さな行動が、がんと闘う人々を支える力につながっていきます。京都で行われた今回のイベントも、そんな思いを受け継ぐ取り組みの一つとなりました。
一人の青年の挑戦から世界へ、テリーフォックスランに込められた思い

「テリーフォックスラン」の原点には、がん研究の未来を変えたいと願った一人の青年の挑戦があります。その青年とは、1958年にカナダで生まれたテリー・フォックス氏です。テリー氏は、骨肉腫という骨にできるがんによって片脚を失いましたが、その経験をきっかけに、がんと闘う人々を支えるための行動を起こしました。
1980年、テリー氏は義足をつけてカナダ横断マラソン「マラソン・オブ・ホープ」に挑戦。がん研究に必要な資金を集めるため、毎日フルマラソンに相当する距離を走り続けました。その挑戦は、単に長い距離を走ることではなく、がんの治療を待ち望む人々に希望を届けるためのものでした。
テリー氏が残した思いは、時代を越えて世界中へと広がり、現在では30カ国以上で「テリーフォックスラン」が開催されています。日本でも、年齢や運動経験にかかわらず参加できるランニング・ウォーキングイベントとして親しまれ、順位やタイムを競うことなく、がん研究への支援を呼びかけています。
一人の青年が踏み出した一歩は、長い年月を経た今も、多くの人々の行動へとつながっています。京都で開催された今回のイベントも、テリー氏が抱いた願いを未来へ受け継ぐ機会となりました。
集まった656,457円を京都大学へ、がん研究の未来を支える寄付

今回の「京都テリーフォックスラン2026」では、イベント参加者に加え、日頃からホテルと取引のある企業やカナダ大使館からも寄付が寄せられました。集まった金額は総額656,457円にのぼり、その全額が京都大学大学院医学研究科附属がん免疫総合研究センター(CCII)へ寄付されました。
2026年11月4日には、同センターで寄付金の贈呈式が行われました。多くの人々の協力によって集まった寄付金が、がんの克服を目指す研究施設へと届けられたことは、今回のイベントの大きな成果といえるでしょう。
寄付先となった京都大学がん免疫総合研究センターは、2020年4月に設立された研究施設です。センター長を務めるのは、ノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑特別教授。人間の体に備わる免疫の働きを活用し、がんを治す新しい方法の開発に取り組んでいます。
同センターが掲げる目標は、2050年までにほとんどすべてのがんを制御できる未来を実現することです。国内外から集まった研究者たちが、がんと免疫の関係を解き明かしながら、これまでの治療法を超える新たな治療法の開発に取り組んでいます。
一人ひとりの一歩が、がん研究の未来を支える力に

がん研究への支援を目的に開催された「京都テリーフォックスラン2026」。約140人が参加した今回のイベントは、総額656,457円の寄付という形で、未来の医療を支える取り組みへとつながりました。
かつて一人の青年が、がんと闘う人々のために走り始めた挑戦。その思いが国境や世代を越え、今も世界各地で受け継がれていることは、誰かを思う気持ちが持つ大きな力を感じさせます。
走ることも、歩くことも、誰かを応援する一つの方法です。京都で生まれた支援の輪が、がん研究のさらなる発展につながり、より多くの人々に希望を届けていくことが期待されます。