オリンピアンと紙風船で運動!「スポーツ祭り2026」で親子が多彩な競技に挑戦

紙風船をつぶさないように、両手で力いっぱい押す。そんなユニークな運動に、オリンピアンやパラリンピアンも親子と一緒に挑戦した。

11月3日(火・祝)、東京・北区の味の素ナショナルトレーニングセンター・イーストで「スポーツ祭り2026特別編」が開催された。

スポーツ庁などが主催する同イベントは、愛知・名古屋2026アジア競技大会・アジアパラ競技大会を記念し、今年は「文化の日」に開催。トップアスリートによるトークショーをはじめ、約20種類のスポーツ体験や日本の伝統文化に触れるプログラムなど、多彩な企画が用意された。

13人のアスリートが参加!紙風船を使ったエクササイズで開幕

開会式では、スポーツ庁の河合純一長官が挨拶した。

自身もパラリンピックの競泳選手として活躍した河合長官は、「誰もがスポーツを通じて自分らしく生きられる」社会を目指すと語り、参加者にスポーツの魅力を再発見してほしいと呼びかけた。

続いて、オリンピアン9人とパラリンピアン4人が紹介され、参加者と一緒に「紙風船エクササイズ」に挑戦した。

スポーツ庁の職員が指導したこのプログラムでは、まず肩甲骨の動きやバランス感覚を確認。その後、紙風船をつぶさないように両手で押したり、頭上に持ち上げて背伸びしたりと、さまざまな動作に取り組んだ。

後半は、親子やアスリートがペアになり、紙風船を挟んで息を合わせる運動へ。さらに4人、8人と人数を増やし、最後には大きな輪を作って体を動かした。

指導した職員も「こんなに大きな輪っかができたの、僕初めてです」と驚いた様子。身近な道具を使い、協力しながら運動することで、参加者同士の交流も深まった。

「スポーツは本来、ただやることが楽しいもの」トップアスリートが魅力を語る

続いて行われたトークショーでは、13人のオリンピアン・パラリンピアンが前半と後半に分かれて登壇。競技の舞台裏や子ども時代の思い出、運動を続ける秘訣などを語った。

陸上走高跳の日本記録保持者・戸邉直人さんは、自己ベストの2m35cmを跳んだ際の感覚について、「一瞬体がふわっと重力から解き放たれるような感覚があります」と説明。

新体操の田中琴乃さんは、団体演技では言葉によるコミュニケーションが制限されるため、アイコンタクトや足音などで合図を送り、5人の動きを合わせていたと明かした。

また、ロンドン2012パラリンピックのゴールボール金メダリスト・浦田理恵さんは、鈴の入ったボールの音を頼りにプレーする競技の特徴を紹介。静寂の中、重さ1.25kgのボールが時速約60kmに達することもあるという迫力を伝えた。

一方、スポーツを長く続けるコツについては、意外な意見も飛び出した。

戸邉さんは、競技スポーツには苦しい練習を乗り越えるイメージがあるとしたうえで、「本来はただやることが楽しいもの」と説明。自分が好きだと思える運動を見つけることの大切さを強調した。

浦田さんも、日常生活に運動を取り入れることを提案。手を洗った後、ハンドドライヤーで乾かしている間にかかとを上げ下げするなど、自身が実践する工夫を紹介した。

後半には、フェンシングの三宅諒さんが、早起きして掃除や洗濯などの家事に取り組むことも運動になるとユーモアを交えて説明。

トップアスリートたちの経験談を通じて、特別な練習や道具がなくても、身近なところから運動を始められることが伝えられた。

モルックやカバディも!約20種類の「おもしろスポーツ」に挑戦

会場では、親子でさまざまな競技に挑戦できる「レッツ・チャレンジ!おもしろスポーツ」も実施された。

体験できるのは、ダーツやビリヤードといった身近な競技から、モルック、カバディ、スポーツチャンバラ、ディスクゴルフ、ピックルボール、キンボールスポーツなど、約20種類のレクリエーショナルスポーツだ。

例えば、フィンランド発祥のモルックは、木製の棒を投げてピンを倒し、得点を競うスポーツ。力だけでなく、狙ったピンを倒す正確さや戦略も求められる。

また、ピックルボールは、テニスや卓球などの要素を組み合わせたラケットスポーツ。比較的手軽に始められることから、幅広い世代に親しまれている。

普段はなかなか触れる機会のない競技に、事前申込なしで参加できるのがこのプログラムの特徴。体力や運動経験に応じて、自分に合った種目を探すことができる。

「勝ち飯」教室や書道・茶道も!食と文化からスポーツを学ぶ

このほか、競泳の元日本代表・松田丈志さんによる「勝ち飯®」教室も開催された。

松田さんは現役時代、1日約5,500kcalものエネルギーを摂取していたエピソードを紹介。主食・主菜・副菜・汁物・乳製品をそろえる「5つの輪作戦」や、必要な栄養を適切なタイミングで摂る「補食」の重要性を伝えた。

また、毎食完璧な栄養バランスを目指す必要はないとし、無理なく食生活を改善するためのアドバイスも送った。

一方、「文化の日」にちなんだ企画も用意された。

書道家の高野こうじさんは、子どもたちの好きなスポーツや将来の夢などを聞き、その思いを即興の書にして色紙に表現。

また、遠州茶道宗家の小堀宗翔さんによる茶道体験では、子どもが保護者にお茶を点てるプログラムを通じ、感謝の気持ちや心を落ち着かせることの大切さを伝えた。

さらに、eスポーツ体験やトップアスリートが利用する施設の見学なども行われ、スポーツをさまざまな角度から知る機会が設けられた。

スポーツをもっと身近に。新しい一歩を踏み出すきっかけに

世界で活躍した選手の経験談を聞くだけでなく、実際に体を動かし、初めての競技にも挑戦できた今回のイベント。

トップアスリートたちの言葉からは、勝敗や記録にこだわるだけでなく、自分なりの目標を持ち、無理なく続けることの大切さが伝わってきた。

普段はトップアスリートが練習に励む施設が、この日は子どもから大人までがスポーツに親しむ場に。参加者にとって、日常生活の中でも体を動かしてみようと思える一日となった。

スポーツ祭り2026特設ページ:https://sportsfestival.jpnsport.go.jp/