全国大学生活協同組合連合会が描く未来|全国環境セミナー2026で広がる学生たちの環境活動

「環境問題は大切」と頭では分かっていても、実際に行動へ移すのは簡単ではありません。だからこそ今、知識を学ぶだけでなく、「自分には何ができるのか」を考える機会が、学生たちの間で広がっています。

全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連)が山形大学で開催した「全国環境セミナー2026」には、全国の大学生協で環境活動に取り組む学生や教職員が集まり、地域と連携した実践事例や他大学の取り組みを学びながら、自分たちの大学だからこそできる環境活動について考えました。7年ぶりとなる対面開催では、オンラインで得た知識を対話や体験を通じて深め、学びを行動へとつなげる2日間となりました。

環境活動を「やるべきこと」から「自分ごと」へ。その学びの背景には、学生一人ひとりの成長だけでなく、より良い社会づくりを目指す全国大学生協連の思いが込められています。今回は、その取り組みと、未来につながる学びの現場を紹介します。

7年ぶりに全国の学生が集結。「知る」から「行動する」学びが始まった

コロナ禍を経て、オンラインで学ぶ機会が増えた今だからこそ、「実際に会って学ぶこと」の価値が改めて見直されています。全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連)が山形大学で開催した「全国環境セミナー2026」も、その一つです。全国の大学生協で環境活動に取り組む学生や教職員が一堂に会する対面開催は、実に7年ぶり。全国から集まった参加者が、環境活動について学び、語り合い、それぞれの大学へ持ち帰る学びを深める2日間となりました。

今回のセミナーでは、環境問題について知識を身につけるだけで終わらせない工夫が取り入れられました。事前にオンラインで環境問題や大学生協が環境活動に取り組む意義を学び、その土台をもとに、対面では全国の仲間との対話や体験を通して「自分たちの大学では何ができるのか」を考えるプログラムを実施。オンラインと対面を組み合わせた形式は今回が初めてで、学びをより実践へとつなげることを目指した新たな取り組みとなっています。

会場となった山形大学生協は、地域と協力した環境活動を積極的に続けてきた大学生協の一つです。地域と連携した実践に触れながら学べる環境が整えられ、全国から集まった学生たちは、それぞれの大学や地域の特色を生かした環境活動について考えを深めました。全国大学生協連が目指しているのは、「環境問題は大切だから取り組もう」と呼びかけることではなく、一人ひとりが環境活動を自分自身の課題として捉え、自大学での新たな行動へつなげていくこと。その思いが、このセミナー全体に込められていました。

山形だからこそ生まれた学び。地域とつながる環境活動を体感

今回の会場に山形大学生協が選ばれたのには理由があります。同生協では、地域と連携した環境活動を積極的に展開しており、大学の中だけにとどまらない実践が数多く行われています。全国大学生協連は、そうした取り組みを実際に体験できる場として山形を開催地に選びました。現地でしか味わえない学びを通して、「地域とともに取り組む環境活動」の価値を感じてもらうことも、このセミナーの大きな目的の一つでした。

セミナーでは、山形大学生協学生委員会が実施している「スポGOMI」の取り組みをもとにした環境クイズを体験したほか、最上川流域で環境保全活動を続ける「美しい山形・最上川フォーラム」による講演も実施されました。環境活動を難しく考えるのではなく、楽しみながら参加できる工夫や、地域の団体と協力することで活動の幅が広がることなど、実践者ならではの視点に触れられる内容となりました。

参加した学生からは、「環境活動をどれだけ自分の生活に関連づけられるかが大切だと気づいた」「企画する側と参加する側の双方が協力し合うことが理想的だと感じた」といった声も寄せられています。知識を学ぶだけでは見えてこない地域とのつながりや、人との関わりを通して、環境活動をより身近なものとして考える時間になったことがうかがえます。こうした体験は、それぞれの大学へ戻ったあと、自分たちの地域やキャンパスで活動を広げていくための大きなヒントになったのではないでしょうか。

「やるべき」から「やりたい」へ。一人ひとりが見つけた“自分ごと”という視点

環境活動は大切だと分かっていても、「何から始めればいいのか分からない」「忙しくてなかなか行動に移せない」と感じる人は少なくありません。今回のセミナーでは、そうした迷いや葛藤も含めて参加者同士で話し合う時間が設けられました。理想と現状を書き出し、「参加のしやすさ」「コストや手間」「大学や地域との連携」などさまざまな視点から整理することで、環境活動に踏み出せない理由を一つずつ見つめ直していきました。

さらに、自分たちの大学にある「当たり前」を、他大学の学生との交流を通して新たな価値として捉え直すワークショップも実施されました。キャンパスの立地や地域との関わり、学生の特色など、それぞれの大学ならではの強みを生かした環境活動を考えることで、「自分の大学だからできること」が少しずつ形になっていきます。他大学の事例に触れるだけではなく、自分たちの大学の魅力にも改めて気づく時間となりました。

学生からは、「環境活動を行動に移せない理由を一段階下がった視点で捉えることができた」「自大学で当たり前だったことが、他大学から見ると価値ある取り組みだと気づき視野が広がった」といった声も寄せられています。環境活動を「やるべきこと」として受け止めるのではなく、自分たちの暮らしや大学生活につながる身近なテーマとして考え直すことこそ、このセミナーが目指した大きな学びだったのかもしれません。

学びをそれぞれの大学へ。未来につながる一歩を全国へ広げるために

セミナーの最後に行われたのは、「行動宣言」です。参加者は、この2日間で得た学びを自大学でどのように生かしていくのかを考え、「1週間以内」「1か月以内」「2か月以内」という3つのステップに分けて具体的な行動を書き出しました。環境活動への思いを言葉にするだけではなく、実際の行動へ落とし込むことで、それぞれの大学へ戻ったあとも学びを継続できるよう工夫されています。

企画局長を務めた藤井優月さんは、「大学生協で環境活動を行う意義を理解し、未来の社会をつくる一構成員として環境について深く考える2日間にしたかった」と振り返ります。そして、全国の大学生協へこうした取り組みがさらに広がっていくことを願い、セミナーで得た学びを仲間と共有し、それぞれの大学で実践へつなげてほしいと参加者へメッセージを送りました。

全国大学生協連が目指しているのは、一度きりのイベントを成功させることではありません。全国各地の大学で学生たちが学びを持ち帰り、新たな活動が生まれ、その輪がさらに広がっていくことです。山形で交わされた対話や気づきは、これから全国のキャンパスへとつながり、それぞれの地域ならではの取り組みとして育っていくことでしょう。一人ひとりの小さな一歩が、未来の社会を少しずつ変えていく――そんな期待が込められた2日間となりました。

藤井 優月(ふじい ゆつき)

富山県立大学卒

2026年度全国学生常勤/北海道ブロック/健康と安全/環境/広報・調査

学生の一歩が、未来の環境活動につながる

環境問題は、一人だけで解決できるものではありません。しかし、一人ひとりが「自分にもできることがある」と考え、身近な場所で行動を始めることは、大きな変化につながる第一歩になります。

今回の「全国環境セミナー2026」は、全国の学生が互いの経験や考え方を共有しながら、自大学ならではの環境活動を見つめ直す貴重な機会となりました。その経験が各大学で新たな挑戦へとつながり、全国へと少しずつ広がっていくことが期待されます。

環境問題を「誰かが取り組むこと」ではなく、「自分たちの未来につながること」として考える学生たちの姿は、多くの人に新たな気づきを与えてくれます。こうした学びの場から生まれる一歩一歩が、これからの社会を少しずつ変えていく力になっていくのかもしれません。


全国大学生活協同組合連合会 概要

全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連)は、全国の大学生活協同組合が加盟する連合組織です。学生・大学院生・留学生・教職員のより良い大学生活を支えるため、教材や書籍、食堂、住まい、共済など幅広い事業を展開するとともに、平和や環境、国際交流、地域連携など社会課題に関する活動も推進しています。全国の大学生協が互いに連携し、学生主体の活動を支える役割を担っています。

公式サイト:https://www.univcoop.or.jp/