総合診療×ちょこっと美容で、地元の健康寿命を延ばしたい。みしま長泉Tmクリニックの志
男女ともに健康寿命日本一を誇る静岡県。その地で生まれ育ったみしま長泉Tmクリニックの院長・田村千尋氏は、「地元の健康寿命をもっと延ばしていきたい」という願いから、故郷である三島市に隣接する長泉町の地で開業に至った。同院では、患者を総合的に診療する総合診療科のほか、美容皮膚科にも力を入れている。長泉・三島エリアにおいて、身体と心の両面から健康をサポートする田村院長に、診療への情熱や具体的な取り組みを伺った。
必然の選択となった、総合診療医への歩み
まだ介護制度が整っていなかった幼少期、祖母の介護に苦労する家族を間近で見てきました。そんな中、私たちの大きな支えとなったのが訪問診療の先生です。その献身的な姿に感銘を受け、「自分も家族や地域の人々を守れる存在になれたらいいな」という思いが芽生えました。
高校卒業後国立大学工学部に進学したものの、医学の道へ進みたいという気持ちが芽生え、再受験を経て獨協医科大学に入学してからは、「いつかは地元に戻って開業したい」という目標がより具体的なものへと変わっていきます。
開業を実現するために必要だと考えていたのが、特定の部位にとらわれず、さまざまな症状から総合的に判断できる力です。そのため初期研修修了後は、東京医科大学の後期研修にて総合診療を深く学びました。その後、民間病院での勤務や訪問診療の経験を積み、開業を迎えたのは2025年10月のことです。
一般的には「消化器は消化器科」「呼吸器は呼吸器科」というように、それぞれの専門科を受診することが多いかと思います。しかし総合診療科では、特定の疾患や症状にとらわれません。当院でも基本的な内科疾患を網羅しており、「何科に行けば良いかわからない」という悩みを抱えた患者様にも気軽にご相談いただいています。

患者目線で寄り添う、誠実な医療
クリニックを運営する上で大切にしているのは、「自分が一人の患者として受診したらどう思うか」という目線です。患者様はそれぞれ不安を抱えて受診されているため、来院された時よりも気持ちが軽くなり、安心して笑顔で帰っていただけるような診療を目指しています。
そのために、まずは患者様のお話に丁寧に耳を傾け、その中に隠れた診断のヒントを見つけ出すこと。そして決して「わからない」で終わらせず、可能な限り原因を突き止めること。検査を行う場合は「なぜそれが必要なのか」を詳しく説明すること――。こうした誠実な姿勢の積み重ねが信頼につながり、ありがたいことに、現在では多くの方にご来院いただけるようになりました。
嬉しい反面、「待ち時間が長くなってしまう」という新たな悩みも生まれています。スタッフの増員も一つの手ですが、何より待ち時間のストレスを少しでも減らすため、院内ではさまざまな工夫を凝らしています。BGMとして音楽を流したり、心地よい香りにこだわったり、本を充実させたり。さらにはモバイルバッテリーの貸し出しも行うなど、退屈せず快適に過ごせる空間づくりに努めています。
患者様はもちろん、共に働くスタッフにとって良い環境であることも大切な要素です。休憩時間をしっかりと確保するほか、家庭と仕事を無理なく両立できる柔軟な働き方も積極的に推奨しています。

多角的なアプローチで、地域の健康づくりに貢献
当院では、キレイになる喜びも健康につながるという考えから、美容皮膚科にも力を入れています。コンセプトは、『ちょこっと美容』で『しっかりキレイ』です。しみ・しわ・たるみ治療やニキビ治療、アートメイクなど、大がかりな施術でなくても、「キレイになる喜び」が心の健康、そして身体の健康へとつながっていくと考えています。
また、現在では同世代の医師が集い、得意分野について学び合うコミュニティもできています。患者様の情報を共有して適切な医師につなげたり、連携によって夜間の診療を実現したりと、地域医療における可能性は無限に広がっています。
特定の疾患や症状にとどまらず、総合的な視点で健康をサポートしていく。寄り添う診察や空間づくりにこだわり、気軽に来院できるクリニックであり続ける。そうやって地域の皆様との信頼関係を築きながら、長泉町や三島市の健康づくりに貢献していけたら、これに勝る喜びはありません。
当院の取り組みが、静岡県におけるさらなる健康寿命の延伸を後押しし、ひいては世界からも見本とされるような、地域医療の形に育っていってくれたら――。そんな願いを胸に、これからも目の前の患者様と向き合っていきます。
