人的資本経営をAIで支援、KKCompanyが個別育成プラン作成機能を発表

KKCompany Japanは、2026年7月16日、企業向けeラーニングサービス「スキルアップ・サプリ」において、AIが従業員一人ひとりの個別育成プラン(IDP:Individual Development Plan)を自動で提案する新機能の提供を開始した。同新機能についてのメディア向け発表会が同社にて7月16日(木)に開催され、代表のトニー・マツハシ氏などから説明が行われた。

近年、人的資本経営やリスキリングへの関心が高まる中、企業には従業員それぞれのキャリア目標に合わせた教育が求められている。IDPとは、個人の現状のスキルと将来の目標を比較し、そのギャップを埋めるための具体的な育成計画を立てる手法。欧米企業やスポーツ界では導入が進んでいるが、日本企業においては、プランの策定や運用にかかる多大な工数が課題となり、定着が進んでこなかった。

同社も過去に手動でのIDP導入を試みたが、業務負荷の重さから運用を断念した経緯がある。今回の新機能は、AIによる自動化でその工程を大幅に簡略化。かつては困難だった従業員一人ひとりの個別育成を、実用的な仕組みとして実現させた。
新機能のプロセスは、従業員の職務経歴書と、目標とするポジションの職務記述書をPDF形式などでアップロードすることから始まる。AIはこれらのデータを要約・分析し、現在のスキルと目標達成に不足している要素を照らし合わせることで、優先的に習得すべきスキルギャップを可視化する。

策定されるプランは、人材育成の知見である「70:20:10の法則」に基づいている。これは、個人の成長において実務経験が7割、コーチングが2割、座学が1割の割合で寄与するという考え方である。従来の学習サービスは座学に偏りがちであったが、本機能ではAIが「価格改定案の作成」といった具体的な実務アクションの提案や、社内の適切な知見を持つ従業員をAIが特定してメンターとして推薦するコーチング機能までを備えている。

技術的な基盤には、同社が培ってきたマルチモーダルAIが活用されている。これは文字情報だけでなく、動画内の音声や映像も解析できる技術であり、1,000本以上の学習コンテンツから個々のスキルギャップに応じた最適な内容を抽出してレコメンドすることを可能にしている。企業側にとっては、管理職や人事部門が手動で行っていた分析や計画策定の工数が削減される。その結果生じた時間を、従業員との1on1での対話やキャリアに関する合意形成といった、対面でのサポートに充てることが期待されている。

料金プランについては、新機能の追加に伴う変更はなく、引き続き1ユーザーあたり月額880円で提供される。年内には、組織全体のIDPの進捗状況を可視化するためのダッシュボード機能のリリースも予定。今回の機能拡充により、従来の学習管理システムとしての役割に加え、AIが個々のキャリア形成に即した具体的な行動を提示する伴走型の支援プラットフォームとしての側面が強まった。従業員は自身の強みと課題を客観的なデータとして把握し、目標に向けた主体的な学習を進めることが可能になるとしている。