ゲームは教育をどう変える?フォートナイト活用で広がる学びの可能性
近年は、ゲームは遊ぶためだけのものではなく、イベントやコミュニケーション、さらには学びの場としても活用されるようになっています。多くの人が親しんでいるゲームを教育に取り入れることで、これまでとは異なる新しい学習体験を実現しようとする取り組みも少しずつ広がっています。
そうした中、武蔵野大学は世界的人気オンラインゲーム「フォートナイト」を活用した学修コンテンツに、新たに「データサイエンス」と「フィールド・スタディーズ(地域探究)」をテーマにした2種類のコンテンツを追加しました。ゲームを進めながら大学で学ぶ内容や考え方に触れられるよう設計されており、教育とデジタル技術を組み合わせた新しい学びの形として注目を集めています。
ゲームの世界は、単なる娯楽の枠を超え、学びや体験を提供する場へと広がりつつあります。本記事では、武蔵野大学がフォートナイトを活用した狙いや新たに追加されたコンテンツの内容を紹介するとともに、ゲームを教育に活用する取り組みが持つ可能性について考えます。
フォートナイトは「遊ぶ場所」から「学ぶ場所」へ

フォートナイトといえば、多くの人がバトルロイヤルゲームとして思い浮かべるかもしれません。しかし近年では、ゲームとして楽しむだけでなく、多彩なコンテンツを体験できるプラットフォームとしても活用の幅を広げています。
武蔵野大学も、その特長に着目し、大学で学ぶ内容をゲームとして体験できる学修コンテンツを展開しています。ゲームという多くの中高生にとって身近な環境を活用することで、大学で学ぶ内容や考え方に自然と触れられるよう工夫されている点が特徴です。
従来、大学の学びを知る機会はオープンキャンパスや大学案内などが中心でした。一方で、ゲームの世界を通して学問を体験するという今回の取り組みは、「体験しながら理解する」という新しい学習スタイルを提案しているともいえます。教育とデジタル技術を組み合わせた取り組みとしても、興味深い内容ではないでしょうか。
AI時代に求められる「考える力」をゲームで体験

今回追加されたコンテンツの一つは、データサイエンスをテーマにした学習コンテンツです。フォートナイト内に再現された武蔵野大学有明キャンパスを舞台に、制限時間内でゴールを目指しながら最適なルートを考えます。1回で正解を導き出すのではなく、何度も挑戦し、試行錯誤を重ねることで、より良い選択を考える流れになっています。
このコンテンツでは、結果だけでなく「どのように考え、改善していくか」というプロセスも重視されています。失敗と改善を繰り返しながら最適な答えを探すプロセスは、データサイエンスの基本的な考え方の一つでもあり、ゲームを通じて自然に体験できるよう工夫されています。
もう一つのフィールド・スタディーズでは、フォートナイト内に再現された深川・清澄白河の街を巡り、地域の人への聞き取りや情報収集を行いながらミッションを進めます。集めた情報を整理し、最後はクイズに挑戦する流れとなっており、現地を調査して課題を解決する探究学習の考え方をゲームの中で体験できる内容となっています。
ゲームを教育に活用する取り組みが広がる理由

今回の取り組みで注目したいのは、ゲームそのものではなく、「ゲームを学びの場として活用する」という発想です。多くの中高生にとって身近なフォートナイトを入り口にすることで、大学で扱う専門的な内容にも自然と興味を持てるよう工夫されています。
教育分野では、知識を一方的に学ぶだけでなく、自ら考え、体験しながら理解を深める学習方法が重視されるようになっています。ゲームの中で課題に挑戦し、試行錯誤を繰り返したり、情報を集めながら進めたりする今回のコンテンツは、そうした学習スタイルとも親和性が高い取り組みといえるでしょう。
ゲームという身近なデジタル空間を教育へ活用する事例は、今後さらに増えていく可能性があります。今回の武蔵野大学の取り組みも、デジタル技術を活用した新しい学習体験の一例として、教育分野における今後の展開を考える上で注目したい取り組みといえるでしょう。
教育DXはゲームの世界へ広がっていくのか

デジタル技術の進化によって、教育の形も少しずつ変化しています。オンライン授業やデジタル教材が広く活用されるようになった現在では、「どこで学ぶか」だけでなく、「どのように学ぶか」も重要なテーマとなっています。
今回の武蔵野大学の取り組みは、フォートナイトという多くの人が親しむゲームを学びの場として活用した事例です。ゲームの世界でデータサイエンスや地域探究を体験できるよう設計することで、専門的な内容にも自然と興味を持ちやすい環境がつくられています。ゲームの特性を教育へ応用する、新しい学習体験の一例といえるでしょう。
教育とデジタル技術の融合は、今後もさまざまな形で広がっていく可能性があります。今回公開されたコンテンツも、ゲームを活用した学習体験の可能性を示す一例として、教育DXやEdTechの今後を考える上で注目したい事例です。