中村学園が挑む全国初の学び 高校生と企業が育てた“応援”のかたち

全国大会で結果を残す強豪校の部活動が、企業と一緒に商品を企画・販売する――。そんな少し意外にも感じる取り組みが、福岡市の中村学園高等学校剣道部で始まっています。

同校では、企業と協力しながらオリジナルアパレルを企画・販売する全国初のプロジェクトに挑戦しています。企画会議への参加やデザインの検討、商品の魅力を伝える広報活動まで、生徒たち自身が主体となって取り組んでいるのが大きな特徴です。

今回の挑戦は、グッズを販売することだけが目的ではありません。競技だけでは得られない経験を通して、企画力や発信力、社会と関わる力を育むことも大切なテーマとなっています。実際に生徒たちは企業の担当者と何度も意見を交わし、自分たちの思いを一つの商品として形にしていきました。

高校生と企業が共に挑んだ全国初のプロジェクトと、生徒たちが得た学び、そして部活動の新しい可能性を紹介します。

部活動は「勝つため」だけじゃない 中村学園が目指す新しい学び

全国大会で活躍する強豪校として知られる中村学園高等学校剣道部。その舞台は、道場の中だけではありませんでした。

今回スタートしたプロジェクトでは、生徒たちが企業と協力しながらオリジナルアパレルを企画・販売するという全国初の取り組みに挑戦しています。部活動と聞くと、日々の練習や大会での結果に目が向きがちですが、中村学園が目指したのは、それとは少し違う新しい学びの形です。

プロジェクトを始めたきっかけについて学校は、「生徒たちが一から考えたものが実際に商品となり、多くの方に手に取っていただくまでを経験できる機会は、普段の部活動ではなかなかありません。競技だけでは得られない学びや成長につながると考えたことが、一番のきっかけでした」と話しています。試合で勝つことだけを目標にするのではなく、自分たちのアイデアを形にし、多くの人へ届けるまでを経験することも、大切な学びの一つ。こうした実践の中で、企画力や発信力、コミュニケーション力など、将来社会に出たときにも役立つ力を育んでほしいという思いが、このプロジェクトには込められています。

さらに学校では、今回の取り組みを一つのモデルケースとして、高校の部活動だけでなく、将来的には大学の部活動やサークル活動への展開も視野に入れているそうです。競技力の向上に加え、社会と関わりながら主体的に学ぶ機会を広げていくことで、部活動そのものの価値をさらに高めていこうとしています。部活動は技術を磨く場所であると同時に、人として成長する場所でもあります。今回の挑戦は、その可能性をさらに広げる新しい一歩として、多くの学校にとっても参考になる取り組みといえそうです。

「応援されるチーム」を形に 高校生が企業と一緒に考えたオリジナルアパレル

今回のプロジェクトでは、生徒たちが企業の担当者と打ち合わせを重ねながら、オリジナルアパレルの企画・制作に取り組みました。完成した商品を販売するだけでなく、「どんな商品なら多くの人に手に取ってもらえるのか」という企画段階から参加している点が、この取り組みの大きな特徴です。

企画会議では、「剣道をしている人だけでなく、剣道を知らない人にも手に取ってほしい」「応援グッズとしてだけでなく、普段着としても着られるデザインにしたい」といった意見が生徒たちから挙がりました。一つひとつのアイデアについて企業の担当者と話し合いを重ねながら、デザインやコンセプトを少しずつ形にしていったそうです。

中村学園高等学校剣道部は、「日本一元気で楽しそうな剣道をする、みんなに笑顔と感動を与えるチーム」を目標に掲げて活動しています。今回のアパレルにも、その思いが込められており、競技経験の有無に関わらず多くの人に親しんでもらえること、そして応援する人と応援される人をつなぐ存在になることが目指されています。

こうして完成したオリジナルアパレルは、Tシャツ、フーディー、スウェットパンツの3種類。2026年6月22日から、中村学園高等学校女子剣道部公式オンラインストアで販売が始まりました。商品そのものだけでなく、そこに込められた生徒たちの思いや挑戦の過程も、このプロジェクトならではの大きな魅力となっています。

商品づくりの先にあったもの 生徒たちが感じた「社会とつながる学び」

今回のプロジェクトを通して、生徒たちは商品が完成するまでの過程だけでなく、企業と一緒に一つのものをつくり上げる難しさや楽しさも経験しました。普段の部活動では味わえない学びがあったことは、生徒たちのコメントからも伝わってきます。

参加した生徒は、「一番印象に残っているのは、『剣道』だけでなく、グッズを通して中村学園高等学校剣道部を多くの方に知っていただきたいという思いで、企業の方と一緒に商品づくりに取り組めたことです」と話しています。勝利を目指して練習を重ねるだけでなく、自分たちの活動をより多くの人へ届けたいという思いが、今回の挑戦の原動力になっていたようです。

また、「デザインやコンセプトについて何度も意見交換を重ね、自分たちの考えを形にしていく過程は、普段の学校生活や部活動では経験できない貴重な学びでした」と振り返っています。アイデアを出すだけではなく、それを相手に伝え、より良いものへと磨き上げていく経験は、教室や道場だけでは得られない学びだったのでしょう。

さらに、「相手に伝わるように考えたり、話し合いながら一つのものをつくり上げたりする経験は、社会に出てからも役立つ力になると感じています」と語っています。今回のプロジェクトは、一つの商品を完成させることだけが目的ではなく、生徒たちが社会との接点を持ちながら、自ら考え、発信し、協力して形にする力を育む機会にもなりました。

競技で培った挑戦する姿勢に、新しい経験を重ねた今回の取り組み。その学びは、剣道部で過ごした時間の中でも、きっと特別な経験として生徒たちの記憶に残っていくのではないでしょうか。

部活動の未来を広げる一歩 応援から生まれる新しい学び

今回のプロジェクトは、一度きりの取り組みとして終わるものではありません。学校では、この経験をモデルケースとして、高校の部活動だけでなく、今後は大学の部活動やサークル活動へも広げていくことを視野に入れています。

競技力の向上を目指すことはもちろん大切ですが、それに加えて企画力や発信力、社会とのつながりを学べる機会を増やすことで、部活動をより実践的な学びの場へ発展させていきたいという考えです。好きなことに打ち込みながら社会との接点を持てる環境は、生徒たちにとって将来につながる大きな財産になるのではないでしょうか。

今回連携した「My Megaphone!」は、スポーツチームや応援する人たちをつなぐ公式グッズプラットフォームです。応援グッズを販売するだけではなく、グッズを通じてファンとのつながりを深め、その収益をチームの活動支援へとつなげる仕組みづくりにも取り組んでいます。

高校生が企業と協力しながら商品を企画し、その先には応援してくれる人との新しいつながりが生まれる。そんな循環が生まれた今回のプロジェクトは、部活動の新たな可能性を示す挑戦となりました。今後、この取り組みがさらに広がり、多くの学校で新しい学びの形が生まれていくことにも期待が高まります。

挑戦を通して広がる、新しい学びのかたち

部活動は、競技で結果を残すことだけが目的ではなく、その過程で多くのことを学び、人として成長する場でもあります。今回の中村学園高等学校剣道部の取り組みは、企業と協力しながら商品を企画・販売するという新たな挑戦を通じて、生徒たちが社会とのつながりや発信することの大切さを実践的に学ぶ機会となりました。

生徒一人ひとりの挑戦を支え、競技の枠を超えた学びを広げようとする中村学園の取り組みは、これからの部活動やキャリア教育の新しい可能性を示すものといえそうです。今後、このような挑戦がさらに広がり、多くの生徒たちが自ら考え、社会とつながる経験を積める環境が増えていくことにも期待したいですね。


学校法人 中村学園 概要

学校法人中村学園は、1954年に教育者であり料理研究家でもあった中村ハル氏によって創立されました。「努力の上に花が咲く」という教育理念のもと、幼稚園から大学・大学院まで幅広い教育を展開しています。
近年は、専門的な学びだけでなく、社会とつながる実践的な教育にも力を入れており、生徒や学生が主体的に挑戦できる環境づくりを進めています。

学校法人 中村学園
https://www.nakamura-u.ac.jp/gakuen/

中村学園中学校・高等学校
https://www.nakamura-njh.ed.jp/