西麻布で開催中、5名のアーティストが「グレー」を再解釈したニューバランスの展覧会がすごい

東京・西麻布のWALL_alternativeで、ニューバランスの「Grey Days」を記念したアート展覧会「GREY ART MUSEUM 2026 -五感で感じる伝統と革新-」が開催中だ。ブランドのシグネチャーカラーである“グレー”を祝う企画で、アートプロジェクト「MEET YOUR ART」を協働パートナーに、和泉侃、華雪、國本怜、東城信之介、萬代基介という5名の気鋭アーティストが新作を発表している。

開幕に先立つオープニング発表会で、ニューバランスジャパンの齋田菜摘氏は「今年のテーマは“Heritage with Innovation”。ブランドがずっと大事にしてきているものを掲げながらも、時代に合わせて進化している」と語った。会場には伝統を象徴する「574」と、革新を象徴する新モデル「ABZORB 2000」の2足が展示されている。574は1980年代のオフロード用ランニングシューズをルーツに30年以上アップデートを重ねた一足、ABZORB 2000は、デザイン過程にVRのプログラミングを用い、アッパー部分に3Dスクリーンプリントを使用した2025年発売の新しいモデルだ。

注目したいのは、展示が空間・音・香り・体験、そして“食”にまで領域を横断している点だ。会場構成と什器設計を手がけた建築家の萬代基介は「グレーを透明と解釈し設計した。什器は吹きガラスの職人と協働で制作した」とコメント。和泉侃はシューズをパーツ分解し香りへと再構成し、来場者はその作品をムエットとして持ち帰れる。書家の華雪は三原色からグレーをつくり出し、“めぐる”という一文字を書き下ろした。國本怜はシューレースの構造をモチーフに574枚のプレートから音のインスタレーションを制作。長野で育った東城信之介は幼少期の銀世界の風景から着想を得て、「実像と虚像、記憶と物質、グレーの錯覚、揺らぎを体験してほしい」と語る。

さらに会場では、老舗の技術を掛け合わせた「GGヌードル(グレーごま麺)」やスモーキー京番茶ジェラート、オリジナルワインまで味わえる。また、Olfactive Studio Neによるオルタナティブレーベル・SCENが、和泉侃の香り作品から着想を得て、「574」と「ABZORB 2000」を味覚へ展開したエクスペリエンスメニュー「飲むニューバランス」も体験できる。

MEET YOUR ART代表の加藤信介氏は「ニューバランスがもつ思想や価値観が広く、深く伝わっていったら嬉しい」と語った。
会期は5月30日(土)まで、時間は18時から24時、入場は無料。視覚も嗅覚も味覚もフル稼働させて、自分にとってのグレーを探しに行ってみてはどうだろう。

 

©Photo by Keizo Kioku