体験型エンタメはここまで進化 次世代キッズパークがベトナム進出する理由

ベトナム・ハノイに、次世代型のキッズ向けテーマパークがオープンしました。砂遊びやぬりえといった昔ながらの遊びに、デジタル技術を組み合わせた“次世代型テーマパーク”です。

最近はゲームや動画など、画面の中で完結する遊びが増えていますが、この施設はむしろ「体を動かしながら体験すること」に重きを置いているのが特徴です。描いた絵が動き出したり、砂場の中に変化が生まれたりと、普段の遊びが少し違った形で楽しめる仕組みになっています。

日本発のこうした体験型施設が、海外でも広がりを見せている点も見逃せません。単なる遊び場にとどまらず、子どもの好奇心や創造力にどうアプローチしているのか。どんな技術が使われ、どんな体験ができるのかを整理していきます。

デジタルで遊びが変わる リトルプラネットとは何か

子ども向けの遊び場と聞くと、すべり台やボールプールといった定番の施設を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし「リトルプラネット」は、そうした従来のイメージとは少し異なるアプローチを取っています。

特徴的なのは、昔ながらの遊びにデジタル技術を組み合わせている点です。例えば、砂遊びやお絵かきといったシンプルな体験に、映像やセンサーの仕組みを加えることで、目に見える変化や反応が生まれるよう設計されています。単に「遊ぶ」だけでなく、自分の行動によって何かが変わるという感覚を自然に得られるのがポイントです。

こうした仕組みによって、子どもは遊びの中で試したり考えたりする機会を持つことになります。難しい操作や知識がなくても直感的に楽しめるため、年齢を問わず体験しやすいのも特徴のひとつです。デジタル技術を前面に押し出すのではなく、あくまで遊びの延長として取り入れている点に、この施設ならではのバランスが見えてきます。

また、屋内型の施設であるため、天候や気温に左右されずに利用できるのも大きなメリットです。ショッピングモール内に設置されるケースが多く、買い物のついでに立ち寄れる気軽さもあり、ファミリー層を中心に広がりやすい環境が整っています。

デジタルとリアルを組み合わせたこうした体験は、単なる娯楽にとどまらず、これからの子ども向け施設のあり方を考えるうえでも一つのヒントになりそうです。

実際に何ができる 体験型アトラクションの中身

こうした施設の特徴は理解できても、「実際にどんなことができるのか」が気になるところです。「リトルプラネット」では、日本国内でも人気を集めているアトラクションが複数導入されており、その一部がベトナムの施設にも展開されています。

代表的なのが、光や音の演出が加わったボールプール型のアトラクションです。単にボールの中で遊ぶだけでなく、動きに合わせて周囲の映像や音が変化するため、空間全体を使った“冒険”のような体験が楽しめる構造になっています。体を動かすこと自体がそのまま遊びにつながる点は、従来の施設とは少し違う感覚です。

また、砂遊びにデジタルの要素を加えた体験も用意されています。手で形を作るというシンプルな行為に対して、映像が連動して変化することで、現実とデジタルが重なったような不思議な感覚が生まれます。見た目の変化が分かりやすいため、小さな子どもでも直感的に楽しめる内容です。

さらに、お絵かきした乗り物が画面の中で動き出し、レースのような形で競い合うアトラクションもあります。自分が描いたものがそのまま動くという体験は、単なる創作を超えて“参加している感覚”を強める仕組みといえそうです。

これらに共通しているのは、あらかじめ決められた遊び方をなぞるだけではなく、子ども自身の行動が結果に反映される点です。操作を覚えるというよりも、試しながら遊べる設計になっているため、自然と体験に入り込みやすい構成になっています。

なぜベトナムに出店?体験型エンタメの広がり

今回の施設は、ベトナムでは2店舗目の展開となります。すでに南部のホーチミンに1号店があり、今回は北部のハノイに新たにオープンしました。国内だけでなく海外でも展開が進んでいる点は、このサービスの広がりを考えるうえで見逃せないポイントです。

出店場所となったイオンモールハドンは、ハノイの中でも比較的新しく発展しているエリアに位置しています。住宅開発が進み、子育て世帯が多く集まる地域とされており、ファミリー向け施設との相性も良い環境です。ショッピングモール内に設けられていることで、買い物や外出の流れの中で立ち寄りやすい点も、利用のハードルを下げている要因といえそうです。

こうした立地の選び方からも、単に施設を増やすだけでなく、「どこで体験してもらうか」が意識されていることがうかがえます。特に子ども向けの施設の場合、アクセスのしやすさや滞在のしやすさが利用頻度に直結するため、モール内という選択は合理的です。

また、言葉や文化の違いがある海外においても、「遊び」は比較的共通しやすい体験のひとつです。複雑な説明がなくても楽しめる仕組みであれば、地域を問わず受け入れられやすくなります。今回のような体験型施設が海外でも展開されている背景には、こうした“直感的に楽しめるコンテンツ”としての強みもありそうです。

遊びがデジタルとつながる時代へ

子ども向けの遊びは、これまでにもさまざまな形で進化してきましたが、ここ最近は「体験そのもの」に変化が生まれているように感じます。画面の中で完結する遊びだけでなく、現実の動きや行動と連動する形で楽しむスタイルが少しずつ広がってきています。

今回のような施設は、その流れを象徴する存在といえそうです。遊びのベースはあくまでシンプルでありながら、そこにデジタルの仕組みを加えることで、これまでにない反応や変化を生み出しています。特別な知識や操作がなくても体験できる点は、多くの人にとって受け入れやすいポイントです。

また、日本発のこうした取り組みが海外でも展開されていることから、体験型のエンターテインメントが国や地域を越えて広がりつつあることも見えてきます。言葉に頼らず楽しめる仕組みは、今後さらに多くの場所で応用されていく可能性がありそうです。

デジタルとリアルが自然に重なり合う遊びは、これからどのように進化していくのか。今回の事例は、その方向性を考えるうえで一つのヒントになりそうです。