春は胃の不調に要注意! 『胃もたれ』『胃痛』『胸焼け』タイプに合わせた対処法と改善レシピを紹介

春は胃がゆらぎやすい季節。寒暖差や新生活のストレス、歓送迎会などの暴飲暴食が重なり、「なんとなく胃の調子が悪い」と感じる人が増える時期です。実は胃は、不調が症状として現れやすい“おしゃべりな臓器”。だからこそ、そのサインを見逃さず、正しく向き合うことが大切です。

近年では、一時的ではなく慢性的な胃の不調に悩む人も増えています。「薬を飲んでも効かない」「すぐ再発する」と感じている場合、実はその対処法が合っていない可能性があります。というのも、胃の不調にはいくつかのタイプがあり、それぞれ原因も対策も異なるからです。そこで今回は、一般内科医・消化器病専門医の工藤あき先生に、胃の不調のタイプ別対処法を教えてもらいました。


工藤あき先生(一般内科医・消化器病専門医)
腸内細菌・腸内フローラに精通し、腸活×菌活を活かした美肌やエイジングケア治療が人気を集めている。コメンテーターとしてメディアにも出演し、美容や食生活に関する書籍も数多く執筆。その美肌から「むき卵肌ドクター」の愛称で親しまれている。

胃の不調は大きく3タイプ


まず知っておきたいのが、自分の不調のタイプです。胃の不調は大きく分けて『胃もたれタイプ』『胃痛タイプ』『胸やけタイプ』の3タイプ。『胃もたれタイプ』は、食後に胃が重く感じたり、消化が遅いと感じる状態。食べ過ぎや脂っこい食事、早食いなどで胃の動きが低下していることが原因です。『胃痛タイプ』は、キリキリとした痛みや違和感が特徴で、ストレスや空腹時に悪化しやすい傾向があります。胃が敏感になり、わずかな刺激でも痛みを感じやすくなっている状態です。『胸焼けタイプ』は、みぞおちから喉にかけて熱く感じる症状で、胃酸の逆流が原因。食後すぐ横になる習慣などが影響します。(工藤あき先生)

「とりあえず胃薬…」が効かない理由


多くの人が「胃が痛い=胃薬」と考えがちですが、症状だけに対処する方法では根本的な解決にならないことも。胃薬はあくまで応急処置。原因に合っていなければ、「効かない」「すぐ再発する」と感じるのも無理はありません。例えば、『胃もたれタイプ』の人が生活習慣を変えずに薬だけに頼っても、胃の動きが改善されない限り不調は繰り返されます。『胃痛タイプ』も同様で、ストレスや刺激物の影響を受け続ければ、症状はぶり返してしまいます。つまり大切なのは、“症状”ではなく“原因”に目を向けることなのです。(工藤あき先生)

タイプ別・やりがちなNG習慣とは?


さらに注意したいのが、良かれと思ってやっている対処法が逆効果になっているケースです。『胃もたれ』のときに「消化に良さそう」と選びがちなうどんやパン。実は小麦由来の成分が腸内で発酵しやすく、ガスや張りを引き起こし、かえって不快感を悪化させることがあります。『胃痛』のときに飲みがちなお茶にも要注意。カフェインが胃酸分泌を促し、敏感になっている胃をさらに刺激してしまいます。『胸焼け』のときにスッキリさせようと飲む炭酸飲料も逆効果。ゲップとともに胃酸が逆流し、症状を悪化させる原因になります。(工藤あき先生)

胃は“日々のケアで変えられる”


では、どうすればよいのでしょうか。ポイントは日常的なケアです。『胃もたれタイプ』は、よく噛んで食べる、脂っこい食事を控えるなど、胃への負担を減らすことが基本です。『胃痛タイプ』は、刺激物を避けつつ、ヨーグルトなど乳酸菌を含む食品を取り入れるのがおすすめ。ヨーグルトは粘膜を保護する効果があるため、胃に優しい食べ物です。胃にも菌活は有効で、中にはピロリ菌の活性を抑えたり、胃痛や胃もたれなどを和らげたりする作用をもった乳酸菌(LG21乳酸菌)もあります。このように、善玉菌を含む食品を利用して、胃のための菌活を始めてみてもよいでしょう。さらに軽いウォーキングなどで自律神経を整えることも、胃の働きをサポートします。『胸焼けタイプ』は、暴飲暴食を避けることに加え、寝る姿勢も重要です。左側を下にして寝る、枕を高くするなど、胃酸の逆流を防ぐ工夫が効果的です。また、牛乳やヨーグルトなどの乳製品も胃酸の中和を助け、胃の粘膜を保護する効果がある、症状の緩和に役立つとされています。(工藤あき先生)

タイプ別・胃の不調解消レシピ

『胃もたれ』対策に! 「ヨーグルトとジンジャーパイナップルのセパレートスムージー」

食後の「消化を助けて、胃にためないこと」を目的とした胃もたれ対策の一品。

■胃に優しいポイント
・パイナップルに含まれる酵素がたんぱく質の消化を助けてくれます。
・生姜は胃の動きを促して食べたものをスムーズに送り出す働きがあります。
・ヨーグルトは胃酸の刺激をやわらげながら、消化しやすい形で栄養を補給できるため、胃への負担を軽減する効果が期待できます。

【材料(2名分)】
ヨーグルト(プレーンタイプ) 100g
パイナップル 200g
生姜 1/2かけ(8g)
はちみつ 大さじ1
(飾り用)
パイナップル(サイコロ状に切る) 40g
生姜(千切りに切る) 1/4かけ(4g)
ミントの葉 2枚

【作り方】
① パイナップル、生姜はぶつ切りにする。
② ①とはちみつをミキサーやブレンダーに入れて滑らかになるまで撹拌する。
③ 器にヨーグルトを入れ、2を注ぎ、マーブル模様になる位に軽く混ぜ、飾り用のパイナップル、生姜、ミントを飾る。

『胃痛』対策に! 「洋風ヨーグルト茶碗蒸し」

「胃にやさしく負担をかけずに栄養をとること」を目的とした胃痛対策の一品。

■胃に優しいポイント
・ヨーグルトは胃酸の刺激をやわらげながら、消化しやすい形で栄養素を補給でき、胃への負担を軽減する助けとなります。
・卵は消化吸収がよく、体調が優れないときでも取り入れやすい良質なたんぱく源になります。
・オクラに含まれるペクチンは粘り成分として胃の粘膜を保護し、刺激から守る働きがあります。

【材料(2名分)】
鶏もも肉 60g
マッシュルーム 2個
オクラ(小口切り冷凍) 40g
卵 2個
ヨーグルト(プレーンタイプ) 100g
A熱湯 50ml
Aコンソメ顆粒 小さじ1/2
A塩 ふたつまみ

【作り方】
① 鶏もも肉は小さめの一口大に切る。マッシュルームは薄切りにする。鶏もも肉、マッシュルーム、オクラは耐熱容器2個にそれぞれ分けて入れる。
② Aを混ぜ合わせる。卵は割りほぐし、プレーンヨーグルトを加えさらに混ぜ、Aに加えよく混ぜる。
③ 1に2を流し入れ、ふんわりラップをし、600wで4分加熱し、1分程保温し、中心部まで火を通す。

『胸やけ』対策に! 「キャベツとリンゴのヨーグルトコールスロー」

胃の状態を整え胸やけ対策を目的とした一品。

■胃に優しいポイント
・キャベツに含まれる成分は、ダメージを受けた胃の粘膜の修復をサポートします。
・りんごに含まれるペクチンは、粘膜を保護するとともに腸内環境を整え、消化の流れをスムーズにします。
・マヨネーズの代わりとなるヨーグルトは、胃酸の刺激をやわらげながら、消化しやすい形で栄養を補給でき、胃への負担を軽減します。「粘膜を修復する」「粘膜を守る」「胃の状態を整える」という働きによって、胸やけの予防・軽減につながります。

【材料(2名分)】
キャベツ 150g
塩 小さじ1/2
りんご 1/2個
Aヨーグルト(プレーンタイプ) 60g
Aオリーブ油 大さじ1
A塩 ふたつまみ
Aこしょう 少々

【作り方】
① キャベツは細切りにして塩を振り、5分程置いてしんなりしたら水気を絞る。りんごは皮をよく洗い、芯を取り5mm幅のいちょう切りにし、酢水(分量外)にさっと漬ける。
② Aをボウルに混ぜ合わせ、1を加えあえる。


レシピ監修:渥美 まゆ美さん
株式会社Smile meal 代表取締役。管理栄養士、フードコーディネーター、料理研究家、健康運動指導士。現在は出版、メディア出演、レシピ開発など体にプラスな料理の提案をすると共に、企業向け健康セミナーの講師も担当。健康寿命を伸ばすために必要な栄養の知識と調理力 , 食事選択力の普及を目指して幅広い分野で食と健康に関わる活動をしている。

“対処”から“予防”へ

胃の不調は、放っておくと生活の質を下げるだけでなく、「また痛くなるのでは」という不安にもつながります。だからこそ重要なのは、「不調が出たら対処する」という考え方から、「不調を起こさないために整える」という意識へのシフト。胃薬は適切に使えば心強い存在ですが、頼りきりになるのではなく、日々のケアと組み合わせることが大切です。胃は、“変えていける臓器”。自分のタイプを知り、正しく向き合うことで、慢性的な不調から抜け出す第一歩になります。この春は、胃と向き合う生活を始めてみてはいかがでしょうか。