成城石井が沖縄県産 天然生まぐろを発売! JALとタッグで「鮮度革命」起こす
4月10日より首都圏中心の12店舗で「沖縄県産 天然生まぐろ」の販売を始めた成城石井が、マスコミ関係者を対象とした試食会を行った。今回の取り組みではJALグループおよび現地の仲卸業者とタッグを組み、現地で包装された生まぐろを24時間以内に首都圏へ輸送する新たなスキームを構築。「鮮度革命」をキーワードに、沖縄県産 生まぐろの年間通じた安定販売を目指す。
フレッシュな沖縄県産 生まぐろを手頃な価格で提供する「鮮度革命」
「沖縄県産 天然生まぐろ」の取り扱いを始めたのは、成城石井成城店、青葉台店、大井町店、自由が丘店、等々力店、池尻大橋店、柿の木坂店、浜田山店、東京ドーム店、トリエ京王調布店、石川橋店、名古屋セントラルガーデン店の12店舗。当初は『沖縄県産 天然生まぐろ刺身用』『漬け握り』など全8商品を販売し、売り場にPOPを掲示して展開するほか、パッケージにはJALの鶴丸ロゴを配した「空からお届けロゴ」が貼付される。

この日の試食会には、株式会社成城石井の五十嵐隆さん、水野翔太さん、中村瞬さんの三名が登壇した。
沖縄県がまぐろの名産地であるということは広く知られていないかもしれないが、五十嵐さんによると、沖縄県は4種類のまぐろが年間通じて水揚げされ、漁獲量は国内3位。また、消費地としても全国トップクラスだという。

しかし、それだけの規模を誇りながら全国的な知名度があまり高くないのは、多くのまぐろが地産地消で消費されるためだ。今回の「鮮度革命」ではJALと地元の仲卸業者・坂下水産との3社連携により、沖縄県産まぐろを生のまま首都圏に空輸するスキームを構築。五十嵐さんは「これまででは考えられなかったことが可能になった」と言い、さらに「スーパーマーケットで販売するため、鮮度が高いだけではなく、お求めやすい価格にもこだわりました」と付け加えた。
続いて登壇した水野さんによると、従来、全国各地の漁場から一本丸ごとの状態で市場に運ばれるまぐろは「水揚げから店舗に並ぶまでの時間」「複数業社が関わることによるトレーサビリティ確保の難しさ」「未解体ゆえの品質判別の難しさ」といった課題があったという。

これに対して今回の鮮度革命では、漁場までの距離が近く水温が高いため、年間通じて鮮度の高いまぐろが水揚げされる沖縄のメリットを活かしつつ、坂下水産の目利きで仕入れたまぐろを現地の加工場で柵やブツ切りの状態まで加工。JALの手により那覇空港から迅速に輸送し、生の状態のままパック包装から24時間以内で首都圏の店舗に並ぶ体制を実現した。
今回の取り組みに向けて、成城石井では同社のバイヤーが昨年5月から計5回現地を訪問。四季を通じた安定的な品質確保に向け、坂下水産と綿密な調整を重ねてきた。

また、本スキームでは現地加工の段階で販売を行う可食部以外を切り落とすことで一本丸ごとの状態と比べて約35%の重量での輸送を可能に。さらに氷を使わない保冷機能付きコンテナを用いることで輸送重量の軽量化を図っている。加えて、鮮度が高いまま運ばれるまぐろはドリップ(解凍の際などに滲み出る水分)が少なく、刺身の下に敷く脱水シートの使用削減にもつながり、コストダウンだけでなく環境負荷の軽減にも寄与している。
もっちりとした食感と、しっかりとした赤身の旨味が特徴
会場では、新商品の中から『沖縄県産 天然生まぐろ刺身用』『沖縄県産 天然生まぐろブツ切り』『まぐろたたき(生食用)』『まぐろポキ』『漬け握り』の5点が試食として提供された。

沖縄県産まぐろの味について「大間など北の方で獲れるまぐろに比べると脂は控えめですが、非常に鮮度が高いため、もっちりとした食感が特徴で、赤身の旨味が非常に強く感じられます」と説明する中村さん。また、釣りたての死後硬直にある状態から次第に身が柔らかくなるまぐろの特性を活かし、店頭に並ぶ時には食べ頃の状態になるよう調整できる点も強みだという。

なかでもキハダマグロを使った『沖縄県産 天然生まぐろブツ切り』は、素材の特徴であるもっちり感が強く実感できる一品だ。沖縄ではブツ切りでの食べ方が広く親しまれているといい、中村さんが沖縄で初めて食べたまぐろもこのスタイルだったという。

冷凍していない生のままのまぐろは見栄えにも鮮度の良さを感じ、実際に試食すると、もっちりとした弾力がありながらさっくり柔らかい身から赤身の旨味をしっかり実感できた。「これからの暑くなる時期は山かけなどにして食べていただくのもおすすめです」という提案もあり、個人的には日本酒や軽めのワインなどと合わせたくなる味わいだった。

一方で『まぐろたたき(生食用)』は、スーパーマーケット等では冷凍で並ぶことの多いたたきを生のまぐろで提供する贅沢感ある商品。きはだまぐろとめばちまぐろを使い、筋を取り除く加工により、絶妙な口溶けの中で素材の旨味が引き立つ。

そのまま食べるのはもちろん、中村さんからは「とろたくや手巻き寿司で味わっていただくのもおすすめです」という提案も。惣菜コーナーでは『まぐろたたき巻き』としても販売される。
次の『漬け握り』は、成城石井が誇るセントラルキッチンの技術を活かした一品で、仕入れの状態により、きはだまぐろ、めばちまぐろのいずれかを自家製漬けだれで仕込んで提供する。
「たれに漬けることでまぐろに脱水効果がはたらき、もっちりとした食感が、よりねっとりとした口当たりに変化します」と中村さんは説明する。

その味はまさしくねっとりとしたまぐろとシャリが絡み合う絶妙なバランス。「まぐろの風味を邪魔しない味付けをしているので、物足りない場合は醤油を少しつけてください」という案内があったが、個人的には何もつけずに素材の旨味をじっくり楽しむのがベストと感じる味わいだった。
実際の味までしっかり体験することができた沖縄県産 生まぐろ。なお、6月からは同じく沖縄で育った養殖生本まぐろの取り扱いも予定しており、今後は店舗でのまぐろ解体ショーを検討するなど、年間通じて沖縄県産 生まぐろの販売を盛り上げていくという。「鮮度革命」により沖縄から新鮮なまま届く生まぐろは、売り場に並ぶまでのストーリーも含めて堪能したい商品といえるだろう。