布袋寅泰が伝授する「音楽市場を生き抜く極意」とは? デジタル時代の音楽専門校、竣工目前の新校舎で開校イベント開催

世界各国で音楽事業を展開するユニバーサル ミュージック グループ。その日本法人であるユニバーサル ミュージック合同会社と株式会社バンタンが提携し、2026年4月、次世代の音楽人材を育成する「バンタンミュージックアカデミー Powered by Universal Music」が開校する。

世界の音楽市場は2023年に10.2%の成長を遂げ、国内市場も9.7%増と拡大の一途。ストリーミング配信の普及により個人が世界へ発信できる現代、デジタル対応スキルの重要性はかつてないほど高まっている。技術革新に対応するスキル、そして長期的なヒットを生み出すマーケティング。これら新たなノウハウを武器に、即戦力として業界へ羽ばたく人材を育成するのが本校の狙いだ。

開校を目前に控えた3月29日(日)、東京・五反田に竣工目前の新校舎にて「バンタンミュージックアカデミー POWERED BY ユニバーサルミュージック 開校イベント」が開催された。会場には特別顧問に就任したギタリスト・布袋寅泰氏が登壇。入学予定の第1期生とのトークセッションや、サイン入りギターの贈呈が行われるなど、熱気に満ちたイベントとなった。

「世界で一番、社会に近いスクール」が提示する、一気通貫の教育カリキュラム

イベントの冒頭、株式会社VANTAN 第三運営部 部長の野尻貴将氏より、スクールの詳細と今後の展望が語られた。

「世界で一番、社会に近いスクールを創る」。このビジョンのもと、同校が掲げるのは徹底した「実践教育」だ。講師を務めるのは、ユニバーサル ミュージックの現役社員を含む総勢66名のプロフェッショナル。現場の最新トレンドを即座に反映し、カリキュラムを継続的にアップデートしていく体制を敷く。

特筆すべきは、企画立案から音楽制作、配信リリース、プロモーション、そしてデータ分析に至るまでを「一気通貫」で学ぶ点だ。アーティストだけでなく、それらを支えるスタッフ側もデジタル時代のエキスパートであることが求められる今、音楽ビジネスの全工程を網羅する学びには大きな意義がある。

また、五反田の新校舎には、プロ仕様のレコーディングスタジオやミキサールーム、ダンススタジオ、DTM PCルームなど、業界最先端の設備を完備。生徒たちは日常の授業を通じて、本物の現場の空気に触れることができる。

さらに、在学中からの現場実習や、優秀者にはメジャーデビューのチャンスが提供される「非公開学内限定オーディション」の実施も発表。当初の計画を大幅に上回る、目標比130%の入学予定者を迎えるという事実が、本スクールへの期待の高さを物語っている。

特別顧問・布袋寅泰が登壇「いよいよ始まる、そのワクワク感」

ステージが転換され、大きな拍手とともに登場したのは、特別顧問の布袋寅泰氏。桜が満開を迎えたこの季節、新しい門出を控えた新校舎に立った布袋氏は、晴れやかな表情で次のように語った。

「僕は入学生ではないけれど、この季節に新しいクラスを拝見して、なんだかワクワクします。いよいよ始まる、という感じですね。身の引き締まる思いがします」

世界を舞台に活躍し続ける伝説的ギタリストが、これから音楽の道を志す若者たちを前に、特別顧問としての熱い想いを言葉にした。

未来のアーティストがぶつける「本音の悩み」に、布袋流の解答を提示

続いて、この春から入学する第1期生4名とのトークセッションが行われた。楽曲制作の悩みや、AI時代における表現の在り方など、生徒たちの切実な質問に対し、布袋氏は一つひとつ丁寧に、かつ力強く答えていった。

<ステージングと「一体感」の正体>

ボーカリストを志す佐久間彩加さんの「客席との一体感について」という問いに、布袋氏は「演者である我々がまずは楽しむこと」と断言。

「こちらが緊張してガチガチになっていると、お客さんも入り込めない。のりしろの部分を半分お客さんに委ねながら、自分を解放していく。楽しんでいるというバイブレーションが観客に伝わってこそ、ライブはスタートするんだ」

<評価に縛られない「オリジナリティ」の確立>

斉藤理一さんからの「多くの人に評価される共通点」についての質問には、評価そのものを目的にすることの危うさを説いた。

「自分の純粋な気持ちが人に届いた時、それが『評価』という言葉に変わる。それよりも大事なのは、誰かとコネクトする、伝わるその瞬間を探すこと。評価のために音楽を作ると、自分を縛ることになってしまう」

<「似てしまう」負のループをどう抜けるか>

自作曲が好きな曲に寄ってしまうと悩む岡村うららさんに対し、布袋氏は「プロでもあること」と優しく寄り添った。

「それは大好きなものが自分の中にいっぱい詰まっている証拠。メロディの節回しを一音変えてみる、リズムのアプローチを変える、遊び心を持ってチャレンジする。悩む時期はいつか自分の力になる。まずは気にせず、どんどん作ってほしい」

<学校で学ぶ価値、そしてAIとの向き合い方>

Memaさんの「独学でも学べる時代に、学校に通う価値とは」という鋭い問いに対し、布袋氏は「仲間の存在」を強調。

「一人きりで自分の世界に閉じこもるよりも、周りの感想を聞き、仲間のプロセスを見ることで、音楽の捉え方が広がる。仲間の存在が自分を作ってくれるんだ」

また、AIについても「すべてを委ねれば周囲との違いがなくなる。作り手が悩み、迷いながら掴み取った『きらめき』こそが重要。AIをひとつのツールとしてどう使いこなすか、そこに個性が出る」と、次世代のクリエイションに期待を寄せた。

世界で一本。新たな歴史を刻む「サイン入りギター」の贈呈

トークセッションの締めくくりとして、布袋氏からスクールへ、サイン入りギターの贈呈式が行われた。贈呈されたのは、氏の象徴的なデザインが施された「Eternal Legacy Hotei Model(エターナルレガシー ホテイモデル)」。布袋氏はその場で力強くサインを書き込み、代表のMemaさんへと手渡した。

「こうしてサインをすることで、このギターに新たな歴史が刻まれていく」。ギターを受け取った生徒たちの表情には、これから始まる学びへの覚悟と希望が満ち溢れていた。

「幸運は勇者の味方をする」次世代へ贈る、布袋寅泰の哲学

イベント後の代表質問にて、改めて学生たちの印象を問われた布袋氏は、「一人ひとりが非常にピュアで、眩しいエネルギーを感じた」と目を細めた。

2026年にアーティスト活動45周年を迎える自身についても、「常に自己更新、自己アップデートし続けたい。現状に立ち止まらず、次の扉を開けて違うアプローチに挑戦することが大切」と、現役であり続ける矜持を覗かせる。

多忙な日々のリフレッシュ方法として、意外にも「料理」を挙げた布袋氏。

「料理をしていても、つい曲が浮かんでしまう。それは仕事ではなく、ある意味での『癖』。オフの時は意識的にギターを遠ざけて、その距離感を大切にしている。その距離が、オンになった時に新鮮なアイデアに変わるんだ」

最後に、新生活を始めるすべての人へ、氏が大切にしている言葉を贈った。

「『幸運は勇者の味方をする』。勇気ある行動が幸運をもたらす。止まっていては何も来ない。自分から何かを掴まえに行くアクションを大切に、恐れずに挑戦を楽しんでほしい」

デジタルという新たな武器を手に、ユニバーサル ミュージックという世界最高峰のフィールドへ。第一線を走り続ける「勇者」からのエールを受け、若きクリエイターたちの挑戦が、今、五反田の地から始まろうとしている。